しろきつねおすしー図書館

おそうざいコーナーみたいなぶろぐ

ぜんまいじかけの何かの部屋外伝③

カムイの山に

少年3人の笑い声が響く。

 

その様子を静かに

やさしくみまもる男性、

カムイの主にもまた

笑みがこぼれる。

 

そこに、元気にかけよる少女がいる。

 

おはようございもすせんせ☆

 

あら?きょうは

めずらしく、

せんせも えがおですねっ☆

 

悪気はないだろうが、

すこしとげがある言い回しに

カムイの主も苦笑いをして答える。

 

おはようございます。

君は今日もかわいいですね。

 

それとね、

わたしにも笑うときはあるよ。

 

 

あっ、ごめんなさいせんせ☆

なんかこころからわらっているのは

ひさしぶりな気がして☆

 

屈託のないえがお

ぺこりとあやまると

大きなめがねが はなからずれる。

 

ふふふ。

 

その姿は愛らしく、

自然に笑顔にさせてくれる。

 

 

せんせ、きょうは

山の霧~も、うすくてきもちいいですね☆

 

そうですね。

ここからでも、湖がよく見えます。

 

わたしはこの瞬間が好きなんですよ。

雲海から水色のひかりが

顔をだしてゆく。

 

このときをずっとながいじかんをかけて

待っているんです。

 

空気が透明に磨きがかかったかのように

美しく色を放つ。

 

 

山の草むらでは

少年3人がむじゃきに笑う。

 

ばか!やめろって!

おまえがさわると…!

 

うわ、ちょ…

だんご、てめぇ!

うわぁ!

 

🌈

 

ぱぁん!と

虹色のひかりが湖の方角に

キラキラと飛び、

カムイの山にゆるい虹をかける。

 

ほら~!ばかやろう!

 

だって、

だんごくいてえんだもの。

 

おまえは~、もう

まったくもう!

かわいいな!

かえれよ!

 

ははは!

やめて、おなかいたい!

 

そこに少女もかけより

くるくるまわりながら笑う。

 

🌷⭐🌷⭐🌷🍵🐢…

 

 

…、

なんだ、虹…か?

 

病床から、片手をついて

男が外を見つめる。

 

おや?

もう、いいんですか?

優しいえがおを崩さずに

カムイの主が

尋ねる。

 

ああ、右眼だけだが…見える…。

 

では、左はまだという事ですね。

再度、治療をしましょうか?

 

いや、いい…。

それにしてもこの虹は…?

 

あの方がここに…いるのか?

 

 

いや、あの少年ですよ。

 

!?

 

虹を出せるのか?

では、あの少年もまた…。

 

あの少年は、あなたのお友達の

遠い親戚でね…、

 

では、ここに跳躍のちからを

学びにきているのか、?

 

いいえ、

この子はちからの閉じ方を学びに

来ています。

 

!?

 

虹が出せるなら…!

 

カムイの主が言いかけた言葉を

遮るように口元にひとつ、指を添える。

 

わたしも素質はあると思っています。

しかし、これは

あの少年が軸として

辿り着いた事なのです。

 

だが、!

 

半妖の男が語気を強めるのが

見てとれたが、

それを目線を下げて静かに止める。

 

これは、わがままかもしれません。

しかし、想いの強さというのは

見てとれました。

 

あの子はあの子なりに

答えに辿り着いた。

 

それは、

かんたんなことではないんです。

底から這い上がった想い。

だれにでもできる事ではありません。

 

失うものが我々にとって

必要な能力だったとしてもです。

 

能力、それよりも

失いたくないものがあると

あの子は言いました。

 

人として、生きたいと。

 

あなたなら、わかるでしょう?

その決意の先が、

けして、易しいものではないことも。

 

………。

 

男は、静かに少年を見つめる。

 

カムイの主が

ふぅ、と一呼吸おき言う。

 

 

というわけなので、

あなたには、しばらく

あの子たちの護衛を

頼みたい。

 

は?

 

手取り足取りなどとは

言いません。

 

心が折れたその時に、

支えてあげてほしいのです。

 

あなたにしか、

わからないこともあるはずです。

 

………。

 

なるほど、

    …承知した。

 

 

心配はいりませんよ。

あの子たちといたら、

飽きませんから☆

 

カムイの主が

今までにない笑顔で微笑む。

 

やれやれ…、

半妖の男が身体の包帯をしゅるりと

外しながら微笑む。

 

そのとき!

 

!!?

 

あ、

やべえ!!

 

少年が叫ぶ。

 

ふいをついた

虹がカムイの主を突き抜ける。🌈

ついで、半妖の男の脳天も突き抜けてゆく。🌈

 

だ、

だんごてめえ!

 

あわわ、これは

笑えないよ(笑)

めがねの子が震えながら言う。

 

おい!

笑ってるからな!

だめだろ!ばか!

 

おいら、わるくないぞ(笑)

 

おまえだよ!

笑うな!(笑)

 

 

くるくると、

ふらふら笑うカムイの主と半妖の男。

ゆかいな曲が脳内で虹をつくる。

 

それを見た

めがねの少女もけらけらと

楽しそうに笑う。🌷

 

 

はい、

そんなわけで、

カムイの山はきょうも平和です。

 

めがねの子が言う。

 

おまえが言うな!

まだなんにもしてねーだろい!

 

次回につづく🍡

 

おい!

だんごくうな!

 

ははははは!

なにこれ(笑)

 

あ!せんせ、落ちた!

 

ーーーー⭐ーーーー

プツン

 

 

 

おしまい⭐🍎

 

 

ー備考ー

このおはなしの曲のリンクはこちらです。

曲あり、曲なしどちらでもお好みで

お読みくまさい(笑)

~人になる選択の先のぼくらに

https://youtu.be/H9iGlqHfCio

(古川本舗⭐スーパー・ノヴァ)

 

ーぜんまいの部屋各話EDロールの曲はこちらー

https://youtu.be/zx1obWTMksw

(なきごと⭐メトロポリタン)

ありがとうございました!