しろきつねおすしー図書館

おそうざいコーナーみたいなぶろぐ

ぜんまいじかけの何かを繋ぐ者③

京の都郊外の空、

不協和音と共に轟音が響きわたり、

そこから無数の⚙️歯車が降り注ぐ。

 

 

あの方に初めて出会ったのは

あの時だ。

 

まるでオロチのように

複数の首を持つ

異形の者が空から現れ、

毒を撒き散らしながら

京の街を襲った。

 

京の街は死者が溢れる。

 

それを追うように

飛び出してきたあの方は

対応に追われるわたしたちを

救いながら

オロチの毒を吸い込んでいく。

 

ーーどこから飛んできた?

しろきつねなのか!?

 

誰も知らない白き者。

人の姿をしてはいるが

数本あるしっぽが靡き、

半分はきつねだとわかる。

 

 

姫!!

いま近づいてはいけない!

 

謎の白き者が

叫ぶ。

 

突進を始める前の姫の袖に

歯車が刺さる。

 

そこから、淡い虹色が姫の頬を包み

目を塞ぎ、夢を見せる。

 

一瞬、パキッと何かが割れる音がした後

白き者がオロチにとどめを刺す。

 

オロチは虹色の光を放ちながら

消滅してゆく。

 

それと同時に白き者も

力を失い空から落ちてゆく。

 

複数あった尾が消えてゆくのが

見えた。

 

ーーあれは何だった?

歯車⚙️が白き者を追うように

落下しては消えた。

 

わたしは彼の元に飛び込むと

純真無垢の傷だらけの白き狐がそこに

ぐったりと

よこたわっていた。

 

~~~☁️       ⭐

      ~~~☁️    🌙

 

         🌷⛩️   🐢…

 

白き狐の持ち物の中に

淡い色をした石と

書物が数本入っている。

 

ーーこの数字の羅列はなんだ?

1113302

112244

741 114 11

 

解読する術がわたしにはないが

重要なものであることは

血痕やおびただしい水痕、焼けた痕などを

見ればわかる。

 

 

長老が言う。

いまより若い時代に出会った友の子ではないかと。

 

半分は人の血を持ち

きつねとしての力はさほどないが

虹色の光と、人の武芸を操る者。

 

不思議なこころを持ち

人々や半鬼を魅了し友とし、

才能に溢れる者。

 

それゆえに疎まれ、力を欲する者に

追われ、消された者がいた。

 

人にも狐にも神にも、なりきれず

しかし、愛する者と仲間と共に

最後を迎えたという。

 

ーーその人の子なのか?

しかし、どこかに違和感を感じる。

まやかしか。

それをする意味はなんだ?

 

あのオロチはどこからきた?

禍々しさはあるものの

作られた物語の一部のような

そんな不自然さがある。

 

 

混乱のさなか京の体制も変わり

この災厄は妖狐の仕業であると

噂が立ち始める。

 

その頃から狐狩りが始まる。

 

我々は

しばらくその白き狐に

治療を施すため

拠点を北の奥地

カムイの住む山々の近隣へと

変えることになる。

 

 

姫の見た夢には

見たことのない景色の

未来の空で

苦しむ白き狐の姿が

現れたという。

 

こころが焼けるような

悲痛の姿を見て

姫は

大粒の涙を流した。

 

 

それからだ。

姫はあの方の元を離れなくなった。

 

何がそうさせるのか

わからないが

側に居たいと

強く願ったのだ。

 

 

ーーわたしの眼には

お二人が何かつよい絆で

結ばれていて

それを失う悲しさ、苦しみ

のようなものを

幾度も経験したかのように

見えた。

 

 

 

それが何なのかは

わからない。

 

 

 

しかし、

何かを外してここに来た

あの方には

なにかしらの

これから先への

決意がある。

 

あの方はいつも笑って

もうだいじょうぶなんだと言う。

 

わたしたちを置いて

姿を消した前日も

まっすぐに笑っていた。

 

もう、なにも失わない世界が

この先にある。

 

そのために来た。

だから行くんだ。

 

しばらく遊ぶから

じかんはかかるけど

また会えるよ。

忘れたりはしない。

 

 

目を瞑れば

一瞬の出来事だよ。

 

ぼくの住む街で

笑って待ってる。

 

 

たくさんせかいを遊びながら

待ってて。

 

必ず

迎えに行くから。

 

 

~~~☁️

       ~~~☁️

 

 

        ⛩️🍵

 

 

 

ーー初老の眼鏡の男が京の街の外れに立つ

 

はぁ、はぁ…。

ぐっ…、

 

わたしも歳だな…。

この程度で息がきれるとは(笑)

 

ぽたぽたと

右腕と額から血が落ちる。

 

虹色に光る環に

記憶を閉じ込める。

 

次は…、きつねの里の跡…

ですね…(笑)

 

記憶を辿れという事ですね…。

ふぅ…、

 

帰る…。帰るんだ…、

北に、。

 

 

地蔵が並ぶ山道。

懐かしい景色。

冷たい雨だ。

 

またか。

 

 

姫…。

ようやく、

あなたの気持ちがわかった

気がしますよ。

 

まっすぐ

なにも曲げたくない…。

 

生きて繋ぐために…

 

 

雨…。

くそ、

嫌な記憶だな…、

 

(ーーこどものように

行かないでとなぜ…

言えなかった…!

わたしも連れていけと

なぜ言えなかったのだ!)

 

(わたしが一緒にいれば

失わずに済んだんだ!)

 

だめだな…。

わたしはあなたがたみたいに

まっすぐには言えない。

 

こころがふたつ

あるみたいだ…、。(笑)

憧れのお二人の…意志

 

 

 

あの場所で

ぐらりと視界がゆがみ

膝をつく。

 

 

虹色の光が

遠くに見える…。

 

 

目をつぶれば

一瞬…。

 

 

しかし、

 

跳躍をしてでも…わたしは…、。

 

 

 

そのまま

倒れこみ意識を失う。

 

 

 

 

虹色の、光…。

 

 

懐かしい

声が聞こえる…。

 

ーーーー⭐ーーーー

プツン

 

 

 

 

はいはいーっと!

ーーーー📖ーーーー

ぺら

 

 

 

 

おい!だんご!

いいかげんにしろよ!

 

だってあまい

食いてえんだもの。

 

君たちは

なんなの?毎日だんご漫談?

 

 

あ、だれか倒れてるぜ!

 

まて!

だんご!近づくな!

 

 

またか?

このパターン子供の頃にあったぞ?

 

小石投げるから

そこで見てろ。

 

めがねは天狗出して

カムイに行け。

 

俺たちも後からいく!

みたいな。

 

 

おい!お前ら!

ふざけてないでさっさと肩を貸せ!

 

隻眼の男が怒鳴る。

 

俺は

時を止めて

先に飛ぶ。

 

お前らは

天狗を呼べ。

 

周囲の状況を見て

カムイに戻るんだ。

 

 

はーい❣️(三人)

 

 

 

ーーーー👺ーーーー

ぱぁ

 

 

ーーーー📖ーーーー

パタン

 

 

 

つづく⭐🍊

 

 

 

ー備考ー

このおはなしの曲のリンクはこちらです。

曲あり、曲なしどちらでもお好みで

お読みくまさい(笑)

 

~跳躍の子と姫と繋ぐ者の絆

https://youtu.be/cm9DTv6nhZU

(それがあなたの幸せだとしても⭐ダズビー)

 

 

ーぜんまいの部屋各話EDロールの曲はこちらー

https://youtu.be/zx1obWTMksw

(なきごと⭐メトロポリタン)

ありがとうございました!