しろきつねおすしー図書館

おそうざいコーナーみたいなぶろぐ

ぜんまいじかけのなにかの部屋③

きつねの住む里が

北の奥地にあり

 

冬でも

温泉のように

ちねつでいつもあたたかい。

 

もともとは

この島国では

守るものとして

慕われつづけてきました。

 

でも、いつからか

悪いものとして

忌み嫌われるようになった。

 

2つにわかれて

あらそうワヒトの国。

 

両勢力の

ちからの

奪い合いに利用されたのだ。

 

力を得られなかったほうは

その力を無効にしたい。

 

そういう事が起きた。

 

人に化けて悪さをする、

白いきつねがいると言い

人々を苦しめたのだ。

 

それは、なんてことはない

人間同士の嘘の付き合いだ。

 

真実はきつねではなく、

にんげんがきつねのふりを

していたのだ。

 

大勢が苦しみ、

大勢が信じれば

きつねは悪のもの。

 

きつねたちは

ずっと

見えない災厄から

この地を守ってきた。

 

しかし、その勢力が

ちからをつけると、

こんどは

きつね狩りが

善とされたのだ。

 

北の奥地に追われた

きつねたちは

そこの土地の人々に

守られ生きている。

 

その北の人々もまた、

忌み嫌われるようになり

その数を減らした。

 

守るものを失った国は

災厄にみまわれ、

最悪な未来へと向かうことに

なるのだけど、

現実として受け入れるしかないのだ。

 

けどね、

それでも毎日

たたかうことをやめたりはしない。

 

そんなものたちが

いたことを

伝えておきたいのだ。

 

守り神へ祈っても

助けてはくれないと

思わないでほしい。

 

毎日、たたかっている。

数が少ない。

 

どれほどがんばっても

救えないぐらい少ないのだ。

 

だから、

伝えなくてはいけない。

 

たたかうこと、

救うとはどういうことなのか。

まやかしを解く目、

じかんの跳躍、

しんじるこころ、

またあした。

そのことばのもつ意味を。

 

 

 

ふう。

ぱたん。

 

疲れたな…。

 

 

 

細身の

いかにもまじめそうな眼鏡の男が

筆を置く。

 

となりでは

酔いつぶれた白い肌の女が

眠っている。

 

けがをしているのか

包帯が

はだけた胸のあたりからみえる。

 

 

細身の男が

月をさみしげに

ちょっとだけ見たかと思うと

 

溜め息をつき、

女の胸元をなおしながら

きつい目でこちらを見る。

 

 

こんばんわ。

いい月夜ですね🌙

 

 

やさしい物腰だが

凍るような目つきに

 

わたしも、無意識に

刀に手を置く。

 

!!

男がなにかを取り出す。

 

ぜんまい?

からくり人形か…?

 

にこりと笑い

たのしげに操りだす。

 

いい月🌙だねー!

すけべなやつもいるね。

ほんと、ほんとおちゃめさんだね。

そうだねとうさん。

は は は は は。

 

男はゆるしますよと

無言のえがお

にこりとわらう。

 

 

なんだ…、

 

なるほど…役者、

旅芸人か…。

 

 

ほっ、と

刀から手を離したその時、

 

しゅるりと

おとこの背後から

なにかがおちる。

 

あっ、しもた…。

 

 

!!!

 

しっぽ!?

きさま…きつねか!

 

めがねをはずし

ゆっくりと近づいてくる。

 

席をたとうとする刹那、

うしろから声がする。

 

そうですけど、何か?

なにを調査している?

 

 

おやすみなさい。

 

あなたのすてきな夜…は

ここまでだ。

ーーーー⭐ーーーー

プツン

 

 

 

おしまい⭐🍎

 

ー備考ー

このおはなしの曲のリンクはこちらです。

曲あり、曲なしどちらでもお好みで

お読みくまさい(笑)

 

眼鏡の男と白い女

https://youtu.be/0zUE1E3e7Mg

(spangle call lilli line⭐nano)

 

ーぜんまいの部屋各話EDロールの曲はこちらー

https://youtu.be/zx1obWTMksw

(なきごと⭐メトロポリタン)

ありがとうございました!