しろきつねおすしー図書館

おそうざいコーナーみたいなぶろぐ

ぜんまいじかけの何かの部屋外伝②

むかし、むかし

あるところに

色のない村がありました。

 

色のない村のはずれには

おじぞうさんがひとつ。

裏山には

てんぐやしろきつねが住むといいます。

 

そこの村はずれに

おじいさんとおばあさんが

すんでいました。

 

おじいさんとおばあさんには

こどもがいません。

 

それでも、なかよくほがらかに

くらしていたのでした。

 

そんなある日、おばあさんが

病にかかってしまいます。

 

都から来たおいしゃさまも、

もうなおらない

はやり病だと

いって帰ってしまいました。

 

おじいさんはひとりに

なってしまう悲しさよりも

おばあさんがくるしむすがたに

たえられませんでした。

 

 

おじいさんは

まいにち、

おじぞうさまに

おやつをおそなえして

おねがいします。

 

 

どうか、

おばあさんがいたいまま

いなくなりませんように。

せめて、おだやかに

ねむれますように。

 

 

そうおねがいすると、

おじぞうさまのわきから

ひょっこり

しろいちびきつねのきょうだいが

あらわれました。

 

あれあれ、

これはまたかわいいこたちだ。

 

おそなえしたおやつを

もぐもぐしていきます。

 

あれま、

ぜんぶたべちゃった。

 

そのかわいらしいすがたに

かなしいきもちが

ちょっとやわらいだおじいさん。

えがおがもどります。

 

おなかをすかせているのか、

ちびきつねたちは

おじいさんのあとをついてきては

おやつをまだちょうだいと

庭にいすわりかえりません。

 

これこれ、ごめんよ。

もうないんだよ。

 

あとはおばあさんの

ごはんなんだよ。

 

しろきつねたちは

ぺたりとすわりこんで

あくびをひとつ、

はなちょうちんをふたつして、

かえろうとしません。

 

それに気づいた

おばあさんが寝床から

言います。

 

あらあら、これはかわいい

おともだちを連れてきてくれたのね。と、

おばあさんにも

えがおがもどります。

 

また、

ぐーぐー、おなかがなる

こぎつねたち。

 

おじいさん、

このこたちに

ごはんをあげてちょうだいな。

 

おばあさんは

おじいさんにおねがいします。

 

おじいさんはおばあさんのおねがいをきき

きつねたちにごはんをあげました。

 

ずいぶん、おなかをすかせていたんだなあ。

あらま、すっかりなくなってしまった。

これではおばあさんのごはんが

もうないよ。

 

いいのよ。とおばあさんは

やさしい顔でほほえみ、

かわいいこぎつねをみつめます。

 

いまのじかん、

ずっとこのままなら

いいのになあ。

と、おじいさんはこっそり思うのでした。

 

~☁️    

 

     ~☁️

 

 🌙     ⭐

    ~☁️

 

それから、

つぎの日の夜、

たいちょうがあまりすぐれない

おばあさんは

眠って起きなくなってしまいました。

 

 

おじいさんはやぱり

なにかたべさせなくちゃと、

あわてて

おとなりの家へ走ります。

 

おばあさんに、なにか

たべものをくださいませんか。

 

となりのじいさんは

病気がうつるから、いやだと

おいだします。

 

しょうがないけれど、

すこし、さみしくなった

おじいさんは

それでも、山の中を食べ物を

探しに入ります。

 

霧が深くなにも見えません。

ようやく、

見つかったのはきのこひとつ…。

 

道に迷いながら、転げ落ちながらも

とぼとぼと、どろだらけで

おうちに帰ると

こぎつねのきょうだいが

おばあさんに寄り添うように

ねむっていました。

 

するとあらら、たまげた。

 

おばあさんが

めをさまし、

声をだします。

 

おはよう、おじいさん。

あら、

すてきなおともだち、

また連れてきてくれたのね。

 

おじいさんはびっくりぎょうてんして

ころがりました。

 

おばあさんはすっかり顔色もよく

げんきになってしまったのです。

 

きのこひとつしかとれなかった。

ごめんね。と言うと

いいのよと笑います。

 

ひとつでも、だいじょうぶ。

わかるかしら。

じゅうぶんなのよ。

と、ほほえみました。

 

おばあさんはこのこたちにもあげてと

ほほえみます。

 

おじぞさま、しろきつねさま

ありがとう。

 

よかったね。

おじいさんとおばあさんは

またなかよくくらしていけます。

 

      🌞

 ~☁️

      ~☁️

 

つぎの日、

朝起きると

こぎつねたちはいなくなって

おりましたが、

 

おうちのまえには

きれいな細長い石ころが

置いてありました。

 

 

おじいさんは、

きらきらとひかる石ころに

みちびかれるように

やまみちをあるくと、

じめんにたくさんのどんぐり。

 

そのなかに、

きのうのものとはちがう

きのこもたくさんありました。

 

おいしそうなきのこを

摘んで帰り、

おばあさんにあげよう。

 

おじいさんとおばあさんは

おいしいおいしいと、

なかよくたべました。

 

とても、おいしいきのこに

おじいさんはおどろき、

村のみんなにもわけてあげます。

 

すると、村にきた商人が

きのこをお気に入り、

たくさん買っていったのです。

 

おいしいきのこのうわさは

都のほうにもひろまり、

しろきつねの石をもらった

おじいさんとおばあさんの

くらしは豊かになったそうです。

 

しかし、

それを見ていた、

となりのじいさんは

 

しろいこぎつねを

一匹、わなにかけて

つかまえてしまいます。

 

 

都につれていき、

薬になると

えらいおさむらいさんに

さしだしてしまいました。

 

 

都の病人たちに

しろきつねの一部を煎じて飲ませると

なんと、

たちまちげんきになりました。

 

となりのじいさんは

みんなを救えるほうほうをみつけたと

功績をたたえられ、

たくさんのお金をもらいました。

 

しかし、

しろいこぎつねは

くすりのけんきゅうに

せまいおへやにとじこめられて

しまったのでした。

 

となりのじいさんは

たくさんを救いたかった。

こんなことをするつもりはなかったのだけど

と、こころになにかさみしいものをかんじます。

 

 

 

のこされた一匹のこぎつねをだいて

おじいさんと、おばあさんは

まいにち山のなかや、むらはずれを

さがしにでかけては、

おじぞうさん

いのります。

 

 

すると、ある日、

霧が深い

やまのほうから

しろい面のてんぐさまが

くるくると

とんできました。

 

 

しろてんぐさまは

ぱん!とりょうの手のひらを

あわせると

かわいらしい扉が現れ、

こぎつねのいなくなった日に

おじいさんを連れていきます。

 

山道を通り、

霧のなかをぬけると、

となりのじいさんが

こっそりこぎつねを連れていこうと

していました。

 

おじいさんはとなりのじいさんに

やい!こら。と

どなりつけ、

こぎつねをまもります。

 

しろてんぐさまは

となりのじいさんをひょいと

つかまえると

くるくるとまわりながら

どこかへとんでいってしまいました。

 

 

 

それから、しばらく霧の中。

しろいこぎつねと

山道を歩きながら

おじいさんは考えていました。

 

この霧の深い山奥はきたことがあるなあ。

いつだったかなあ。

あれは夢だったか…。

 

こどものときにみた夢のよう。

ちりんちりんと、

鈴の音が聞こえる。

 

鈴の音のなるほうへ

きらきらひかる石のほうへ

無意識に足がすすみます。

 

おじぞうさんの場所に

扉がみえてきた。

 

やれやれ~、

どっこりしょと、

扉をくぐりぬけ

 

もとのばしょに

もどったおじいさんは

おどろきます。

 

 

あれま!こりゃあ、たまげたなあ!

 

色のなかった村に、

きれいなお花が

たくさんさいていたのです。

 

おじいさんは

こぎつねの兄弟が

げんきにお花の中を

かけていくのを見て

安心しました。

 

ああ、よかった。

ぶじだった。

 

のどかな風景に

ほっこりと、腰をおろします。

 

こぎつねたちが

かわいらしく花のなかに

きえてゆきます。

 

おうちからでてきたおばあさんは

おじいさんに

かけより、

涙を流しながらよろこびます。

 

ずっとさがしていたのよ。と

おばあさんは泣いていました。

 

きょとんとしたおじいさんの手に

あたたかいものが伝わります。

それはちからづよく

たしかなものでした。

 

ゆめでもまぼろしでもなく、

たしかなものをかんじたのです。

色がある音がする。

 

となりのじいさんも

ごめんなさいと涙をながしながら、

おじいさんにかけよります。

 

なにがあったのか、

すっかりまるくなた。

まるでべつじんだ。

 

すっかりわけのわからなくなた

おじいさんは、

かんがえてもわからないので

とりあえずきのこ。

みんなできのこをたべよう。

と、言い、

村人たちに囲まれ、

なかよくおうちに帰ります。

 

 

よくみると、

おじぞうさんは3体になっており、

はなちょうちんが2つ

ぽわぽわかわいらしくでていました。

 

おじいさんは、

きつねにばかされたのかな?

と、ちょとだけ思いましたが、

おじぞうさんにぺこりとしました。

 

 

へいわに暮れるおひさまに

はなちょうちんがぱちん。

 

ぽわっと、

はなちょうちんとともに

霧の中の扉がかわいく

閉まります。

 

それから、

村の人々は、なかよく

平和に暮らしましたとさ。

ーーーー🚪ーーーー

パタン

 

 

 

おしまい⭐

 

 

 

 

 

ーーーー🚪ーーーー

きらきらと粉状に

だんだん薄くなる

とびらのむこうから、

声がきこえる。

 

 

ちいさなきつねさん

こんにちわ。

 

むかえにきたよ☆

ぼくといっしょに

500ねんあそびませんか?(笑)

 

え。500ねん?

500…て

100が5つ…?

ながい!ながいよ!

 

 

ははは。

そう言われると思った(笑)

 

とりあえずここをでよう。

はなしはまたあとで☆

 

うしろに飛ぶから

手につかまって。

 

え、あ…うん。

いや、ちょとまって…

 

うしろ、ってどこ!

ふゃ~…!

ーーーー⭐ーーーー

プツン

 

 

 

おしまい⭐🍎

 

 

ー備考ー

このおはなしの曲のリンクはこちらです。

曲あり、曲なしどちらでもお好みで

お読みくまさい(笑)

~色のない幻を花に変えて

https://youtu.be/W4u0IeDrUc8

(青葉市子⭐いきのこりぼくら)

 

ーぜんまいの部屋各話EDロールの曲はこちらー

https://youtu.be/zx1obWTMksw

(なきごと⭐メトロポリタン)

ありがとうございました!